私は黙って見ている気はないよ
「幸福を呼びネコ」
おい、真紀ちゃん、急に起りだしどこへ急ごうというの。
いいか、よくお聞きよ!
わたし、家を出て町に住むことにするわ。
前から、ママに言おうと思ったの。
それの方がお互いのためだ。
私の手の負えないことがあるんだ。
ただ、頭がらせん状になっているわけ。
世界は広くて複雑だから。
そう言う時に、案外君に連絡が取れない。
あいつは、何度も呼んでも相手が出てこない。
諦めて受話器をおいた。
居留守をついている。たぶんそうだろう。
私だってよくやる手だ。
笑う奴らは?
理由はない、とっさにそうするのさ。
こんな時に限って、すぐに帰らないのさ。
立って何を考えているんだ。
わかっているなら、さっさと帰れ!
大声を張り上げる者がいるのを見たら
知り合いだった?
それは文太が聞き分ける。
で、気持ちがおさまってから!
「私は黙って見ている気はないよ。」
聞いているか!
文太は、一瞬目をバチクリさせて。
やがて驚きのあまり呆然として目を開いた。
他人さまよ、勝手に覗くがいいわ!
私はいわずもかなのことまで言ってしまった。
私はこんな性格だ!(ニヤ)